学校の動物飼育が曲がり角を迎えている。命の大切さを実感する機会として力を入れる学校がある一方、飼育経験が豊富な教員の減少や感染症の不安から、飼育を取りやめる学校も増えている。
特集:どうぶつ新聞
■ひざに抱っこ「すごく温かかった」
「すごい。ドドドドドッて聞こえた」「緊張してるのかな? 音がはやいね」
10月6日午後、東京都世田谷区立山野小学校の体育館で、2年生の子どもたちがはしゃいでいた。昨年度に続き開いた「動物ふれあい教室」の一幕だ。
獣医師や保護者らが協力し、ウサギと犬をひざに抱っこしたり、聴診器で心臓の音を聞いたり。細萱奏匠(ほそがやかなる)さん(8)は「ウサギと犬の心臓の音の速さが違って驚いた」、織田龍二郎君(8)は「すごく温かかった。この子たちは生きているんだと思った」と話した。
ふだん飼育している動物はウサギ2匹のみ。世話は飼育委員会の児童が担っているが、より多くの子どもたちに動物の温かみを感じてもらおうと企画した。担当の前薗啓太教諭(24)は「命の大切さをどれだけ言葉で伝えても限界がある。実際に触れあうことが一番響く」と話す。
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