大阪府岸和田市の信貴(しぎ)芳則市長(56)は29日、26日投開票の市長選前に、自民党の神谷(かみたに)昇衆院議員(68)=比例近畿ブロック=らとともに、党岸和田支部長に約280人分の新規の自民党員名簿と党費の提供を持ちかけたと明らかにした。信貴氏は「党勢拡大のためだったが、推薦を求めていると受け取られかねない行為だった」と釈明した。
岸和田市長、自民関係者に現金預ける 4年前の選挙前
信貴市長は4年前の市長選前、自民党の推薦を得るため、党関係者に現金200万円を渡していたことが判明している。
党岸和田支部長によると今年9月上旬に神谷氏から「自民党費を持ってきてくれている人がいる」と電話があり、同府泉大津市の神谷氏の事務所に呼び出された。事務所には神谷氏と信貴氏らがおり、神谷氏らから「約280人分の自民党員名簿と党費がある。受け取ってほしい」と袋を差し出された。自民党員の党費は年間4千円で、袋には約112万円が入っていたとみられるという。
当時、党岸和田支部では市長選の党推薦の申請を別の市議に決めていた。党支部長は「4年前の市長選で信貴氏が党推薦を得るにあたり、党員を増やす約束はあったが、今になってなぜと思った。党への推薦申請も別の立候補予定者に決まっていたため、受け取りを拒否した」と話す。信貴氏は今回の市長選では自民党の推薦を得られなかったが再選を果たした。
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